シャドウバースはeスポーツ界の第一線で活躍できるのか!? その2

 こんにちはタラコガニです。

 前回はシャドウバースの歴史をおさらいしました。

 今回はタラコガニが定義しているスタープレイヤーとはなんぞやという解釈と他のeスポーツとシャドウバースを比較した話を展開していきたいと思います。

 

2.スタープレイヤーとeスポーツ

 

 スタープレイヤー=カリスマで、一種の目標みたいなものと簡単に位置づけています。ただ、タラコガニはそこに様々な付加価値があるものだと考えています。

 

 前回に引き続いてウメハラを例に挙げて話を進めます。

 そもそも、格闘ゲーマーのスタープレイヤーを取り上げると必ずプロがつきまといます。なぜなら、誰でも参加できるEVOで活躍していたときには、すでにスポンサードを受けている選手が多いからです。

 

 介護の仕事で苦悩していたウメハラはEVOで優勝し、スポンサードの話が舞い込みます。ここがプロゲーマーの出発点であり、海外では優勝の可能性のあるプレイヤーにスポンサードされるようになっていきます。

 

 ウメハラも年齢を重ね、ももち選手など実績ではウメハラに見劣りしない選手が台頭します。ウメハラ超えは何度も期待されています。

 しかし、No.1はウメハラです。日本だけでなく海外でもビーストの愛称で凄まじい人気です。

 

 その一番の要因が、ウメハラの試合がとても面白いからです!

 格闘ゲーム初心者で詳しいルールを知らないタラコガニでもワクワクする試合をしてくれます。

 勝つ、勝たないでなく、面白い試合をすることを信条とするウメハラを超えることは容易くない。なぜなら、ウメハラは型にはまらないプレイなおかつコンスタントに結果を残しているからです。

 

www.twitch.tv

(これはウメハラvsときど選手の試合です。ウメハラの得意なルールでときど選手がウメハラ超えをするかと注目された一戦)

 

 では、シャドウバースに置き換えてみましょう。

 前回の記事でタラコガニがカリスマと取り上げた ま選手とhasu選手。

 ジャンルは違えど、ウメハラ同様選手も予想できないプレイングとオーラともいえる王者たる雰囲気を持っていました。hasu選手はデッキビルドの段階から大きく奇想天外なプランニングをしていました。

 会場では配信越しでもわかる驚嘆の声で、hasu選手が初登場した対戦では、相手選手が体全体で動揺した様子が映されていました。

 

 格闘ゲームでは、予想のできない驚きがある場面が一番盛り上がる。

 シャドウバースでは、予想のできないデッキやプレイングが盛り上がる。

 

 もうひとつ例を挙げると、夏の高校野球

 一球先は何もわからない。勝利をする一球か、敗北の一球か、誰にも予想できないのです。

 

 くどいですが、eスポーツの一番の要因は予想できないことなのです。

 予想できないからこそ、誰もが先を気になり、夢中になって応援するのです。

 

 また日本のスタープレイヤーといった人種には、何かしらの強いプライドがあります。

 ウメハラのライバルであるジャスティン ウォン選手は、お金が一番だときっぱりとしていますが、ウメハラは面白い試合を見せることを信条にしています。その信条のまま、カプコンカップで獲得した場合は賞金を受け取らないと大会前から明言し、実際に準優勝したウメハラはアメリカの大学に全額寄付をしています。

 

 プライドの点で考えると、スタープレイヤーはSNSでもあまり軽率な発言をしません。メンタルコントロールが優れているのか、言葉よりプレイで語ることが彼らには得意なのではないかと感じられます。だからこそ、底が見えないのでしょう。

 ただSNS――特にTwitterを主なコミュニティの場としているシャドウバースには難しく、近年はどのプレイヤーも使うことからスタープレイヤーの誕生は難しい問題になっています。

 

【まとめと次回予告】

  スタープレイヤーは誰がどのような、というそれぞれの定義によって変わってくると思います。

 タラコガニの主張には反発される方も多いでしょうが、そこは仕方のないと諦めています。

 ただ上手いプレイヤー=スタープレイヤーではないとだけ認識していただければ幸いです。

 

 タラコガニが位置づけるスタープレイヤーだと、シャドウバースではほとんど当てはまりません。なぜなら、Twitterから何者かとイメージを固められるからです。

 

 格闘ゲームはスポーツよりですが、シャドウバースは将棋に近いです。

 奇しくも、将棋もシャドウバースも勝率は約5割です。

 そして、将棋界にはカリスマがいます。羽生永世七冠と藤井七段です。お二人は勝ち続けました。異常なほどに…。

 

 シャドウバースでスタープレイヤーになるには、非常識と思われたプロチームの掲げる常勝をしなければならない。RAGEで素晴らしい結果を残さなくても、プロリーグでは個人成績で1敗も許されない。これがスタープレイヤーとしての第一歩ではないかと思われます。

 

 今回は同じeスポーツでも違いがあるということと、求められるスター像は意外と近くにあるということでした。

 ただし、世間で受け入れられつつあるeスポーツシーンは第一に格闘ゲームから入り、離れ業をしているからすごい! という背景があります。eスポーツは全員が異次元の努力と常人の及ばない技を駆使するという先入観がありますから、シャドウバースにプレイヤー層以外から評価をいただくには、積み重なる勝利しかないのです(多くのプレイヤーがeスポーツとしての評価をあまり望んでいないとはわかっていますが、新規プレイヤーを求めなければ…)。

 

 次回は、神格化したスタープレイヤーから派生するプロゲーマーや大型大会、シャドウバースの未来について話していきたいと思います。

 

 タラコガニ

発表! シャドウバースプロゲーマー!

 こんにちはタラコガニです。

 

 2018年4月14日(土) 田村淳のシャカリキ! シャドウバースにてシャドウバースプロチームのメンバー発表が行われました。

www.openrec.tv

 

 

 名古屋OJAではオーディションを兼ねた配信もあり、新たなニュースターのお披露目会の意味もあって成功といっても過言ではない結果でした。

 

 しかしながら、他チームではほとんど選考の経過は報告されず、発表までベールに包まれていました。

 

 さて、気になるメンバーは…!(以下敬称略)

 

au デトネーション

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Enju

(リーダー、RAGE覇者)

Shinkey

(元DNG、JCG優勝、デュエルマスターズにて小4で無差別級優勝)

ミル

(RAGEファイナリスト、Game Ai元〈?〉ライター)

Cross7224

(元DNG、ハースストーンにて数々の大会で優勝)

 

 DNGこと元々デトネーションにはシャドウバース部門があるのですが、その元メンバーが半数を占めます。他カードゲームでも実績のある2人に加え、RAGEでの好成績を収めるEnju、ミルが加わり、厚みのあるチームとなっています。

 特にミルはRatings(非公式)において常に上位で、シャドウバースを実力ゲーに導いてくれるでしょう。

 

名古屋OJA ベビースター

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あるじ

(GAME BOXライター、JCG2週連続優勝)

SOS

(JCG優勝、RAGE準優勝、1周年大会優勝、ランクマッチ覇者)

さに

(JCG 2pick部門2回優勝、2回準優勝、2pickでの獲得賞金額16万円)

えすぴー

(18歳、アンリミ19th 100,000MP)

 

 最初にボヤ騒ぎを起こしたチームでありながら他チームとの差別化を図ることに成功。特にえすぴーは優勝といった目立った成績はないです(タラコガニが見落としていたらすみません…)

 あるじ、SOSといった万能型プレイヤーに加え、さに、えすぴーといった特化した選手の活躍に期待したいです。

 

レバンガ☆SAPPORO

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きょうま

(プレミアカップ覇者、RAGE Winter 2pick優勝)

Tasuno

(絵師、RAGEファイナリスト)

真春

(ローテ25連勝、21th ランキング1位〈4月14日現在〉)

さわさき

(JCG優勝、RAGEプレーオフ進出)

 

 名古屋OJAに続いて起こったボヤ騒ぎでレバンガでは2次エントリーも行い、応募期限が4月10日23時59分だったにもかかわらず、約3日で揃えてきたあたり、コミュニティに精通した人を採用したのかもしれませんね。

 一度落としたきょうまがいるあたり、レバンガ側からきょうまに連絡を取ったのでは? と疑われてもおかしくない状態(失礼な話)。またTasunoは配信やRAGEでのコメントから好印象な青年と受け取れます。真春、さわさきといった実力者も揃い、バランスの良いチーム。

 ただ、紅茶の件にしてもまだ安心できないチームでもあります。

 

よしもとLibalent

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Surre

(RAGE優勝、世界大会4位)

ふぇぐ

ファミ通カップ優勝)

いもけんぴ

(Ratings杯優勝)

keisuke3

(元Libalent、JCG準優勝、オーバーウォッチ優勝)

 

 実力を証明する大型大会のトリプル王者を要するTHE最強。新たに採用されたのは、全員王者という超実力主義なチーム構成。Ratings杯はRAGEよりも高レベルの試合が行われると評判で、その覇者であるいもけんぴはRAGE予選でも好成績です。死角は2pickぐらいなものですが、それでも2pickのある世界大会予選を抜けたSurre、ふぇぐと2人がいます。実績だけでなくチームでの獲得賞金額もずば抜けていると思われるNo.1チームに仕上がっています。

 

【まとめ】

 遅くなりましたが、プロになった方々おめでとうございます。

 幸先の悪いプロリーグですが、これほどの実力者とそれを支えるスタッフが力を合わせれば、どうにか払拭できると思います。どのような影響力のある取り組みとなるか、誰にもわかりません。しかし、1人でも多くの人々の励みとなる姿勢を見せてほしいと思います。

 また、落選された方々もたくさんおられるでしょう。

 そんな方にはぜひ観てほしいのが マトモパンダ(田川)のこの配信

www.openrec.tv

 2人は誰もが知るデッキビルダーでありながら、愛(?)のある暴言で人気を集める炎上系配信者です。どれほどシャドバに熱い想いがあるのか、この動画を観ればわかります。冗談抜きで目頭が熱くなりました。

 人それぞれシャドバをプレイする理由は違いますが、様々な認識を改めさせてくれる貴重な動画でした。

 

 いかがだったでしょうか? プロリーグ開幕に向けて不安より期待が上回る結果となったでしょうか?

 タラコガニにとっては応援したいチームや選手も見つかりましたし、がんばってほしいなぁと思う結果でした。

 ただ、プレイヤーだけではできないことがあり、それは運営するチームやRAGEに責任を押し付ける形にはなりますが、大人が整備しないといけない面もあります。

 

 とりあえず時間が来たから発車した列車はレールの上を走れるかもしれませんが、整備不良でどこかで頓挫する可能性のほうが高いです。まさに、今のプロリーグはこの状況でまだ博打状態です。ただ景気は良く、追い風です。

 プレイヤーにもスタッフにも素晴らしいプレイシーンを作り上げるのが最低限で、予想を裏切るそれ以上を期待されるプレッシャーと戦う1年になるとは思いますが、頑張ってください。

 

 簡単ではありますが、プロチーム及び選手の説明PRでした!

 ※使用したチームロゴはTwitterアイコンより参照しました。

 

 タラコガニ 

 

シャドウバースはeスポーツ界の第一線で活躍できるのか!?

 こんにちはタラコガニです。

 eスポーツ界の火薬庫と自負しているプレイヤーの多いシャドウバースですが、プロリーグのお披露目会まであと少しです。

 個人的にはすごく楽しみなお話ですが、前途多難な現状です。

 では、どうすればシャドウバースはプロリーグやeスポーツとして成功するのだろうか? と考えている方も多いと思います。

 私も同じ気持ちを抱え、今回の記事を執筆に至りました。

 

1.シャドウバースの軽い歴史

 

 そもそもシャドウバースはeスポーツなの? というのがプレイヤーからの感想です。

 意外と知られていないかもしれないですが、シャドウバースは配信前からeスポーツやるぜ! と意気込んでいました。

(画像は発見できなかったので、初期に公式が発表していたことを最近ツイートされていたエアーマン/PaR選手を参考)

 

 配信開始から約2ヵ月後の8月上旬にJCGと呼ばれるオンライン大会が開催され、半年も経たないうちにRAGEというオフライン大型eスポーツ大会が行われました。

 その行動力に多くのゲーマーを驚かせます。

 ちなみにシャドウバースが初めて参加したのはRAGE vol.3です。

 タラコガニもRAGEはvol.3からずっとネット越しに観戦しています。シャドウバースを配信初期から続けているプレイヤーも私と同じではないでしょうか。

 

 RAGE vol.3を観た感想はとにかくすごく夢があるということでした。圧倒的な初代チャンピオン 選手というカリスマの誕生はここからです。

 

 スマホMOVAでは最高のクオリティを保っていたベイングローリーも同時に開催され、今後eスポーツの戦場はスマホに移ると確信したタラコガニでしたが、次第にシャドウバースがeスポーツにふさわしくないという意見が目立ち始めるのです。

 

 なぜ、シャドウバースがeスポーツとしてふさわしくないのか。大きな理由のひとつにというカードゲームでは拭えない問題があるのです。

 

 シャドウバースはある世界的に有名なデジタルカードゲームをオマージュしており、そのゲームより大会での実力差が出にくい設定で、現にRAGEで二度優勝した選手はいません。

 また大会のルールだけでなくカードのバランス調整にも失敗したシャドウバースは暗黒期に入り、アクティブユーザー数は大幅下落します。

 

 その間、大型大会で優勝したイケメンのふぇぐ選手や王手から逆転優勝したEnju選手、Enju選手と決勝戦で死闘を繰り広げ、1周年記念大会では優勝したSOS選手、他カードゲームでも実績のあったSurre選手など実力と人気のある選手は現れましたが、(失礼な話ですが)真のスタープレイヤーとは言えず、彼らでもすべての大会で決勝トーナメントには進めませんでした。

 

 しかしながら、 ま選手はコンスタントに結果を残し、決勝トーナメントまであと一歩ということ(大型大会に5度出場し、優勝したRAGE vol.3も含めプレーオフに3度進出している)や素晴らしいデッキビルドからプレイングと誰もが憧れ、尊敬するプレイヤーとして君臨し続けてくれました。

 まさに運の比率が大きいと誰もが認めるシャドウバースで勝ち進む ま選手により、本当は実力がきちんと出るんだと意識改革をされ、運営のカードの大幅なバランス調整も相まって次第に実力の反映するゲームに近づいていきます。

 

 そして、世界大会が発表。世界王者紅茶/PaR選手が誕生。その紅茶/PaR選手を抑えて直近のRAGE 2017 Winter で優勝した若干16歳のhasu選手が出現します。

 特にhasu選手は東日本予選では奇想天外なデッキ選択。hasu選手にしかできないプレイング技術。ま選手に次ぐ新たなスタープレイヤーの誕生だとタラコガニは確信しています。

 

 ま選手は2018年1月にシャドウバースの第一線から退くことを発表し、世間のeスポーツを推す流れに紅茶/PaR選手は新たなシャドウバースの顔としてスポットライトが当たります。

 そこから連続してRAGEの決勝トーナメントに出場し、念願の優勝を果たしたみずせ/PRO選手など実力ゲームだと証明する選手たちが現れてきました。

 

 またRAGEはスタープレイヤーの誕生を待ち望んでいます。それはRAGEの大友プロデューサーも終わりの挨拶の度におっしゃられていました。

 

 まとめと次回予告

 今回はシャドウバースのeスポーツシーンの歴史について軽くまとめました。タラコガニが誤認している部分があればご指摘していただければ幸いです。

 あと主な大型大会のチャンピオンは

ま選手(RAGE vol.3)

ふぇぐ選手(ファミ通カップ)

Enju選手(RAGE vol.4)

Surre選手(RAGE vol.5)

hasu選手(RAGE 2017 winter)

紅茶/PaR選手(World Grand Prix)

鳳凰院凶真選手(PREMIER CUP TOKYO 2018)

みずせ/PRO選手(RAGE 2018 Spring)

の順となっています。

 

 さて、プロリーグ発展に繋がるスタープレイヤー。

 私が挙げた ま選手は実質引退状態でhasu選手は年齢制限のため参加できません。

 さらに紅茶/PaR選手の不祥事などプロリーグはカリスマ性のあるスタープレイヤーがいないのです。

 そうなると、未発掘の凄腕プレイヤーを発見するものになります。上でも述べましたが、実力よりも運の出るゲームです。シャドウバースのコミュニティに長くいる者なら誰もが知っている凄腕のプレイヤーは何人もいます(しかし、募集の趣旨が違うので採用されるかどうかと問われれば…)。

 

 今回参加したプロチームもとい企業は必勝を中心に活動をする予定です。一部チームのシャドウバースについての知識の浅さが露呈したこともあり、eスポーツという言葉だけが先行しているなという印象を受けました。

 

 では、eスポーツとは? となります。

 

 誰もが想像するのが格闘ゲームの祭典 EVOLUTION 通称 EVO でしょう。

 特に昨年ラスベカスで行われたEVO 2017はときど選手が劇的な優勝を飾ったということもあり、一気に日本社会にeスポーツを浸透させるきっかけとなりました。

 

 そして、格闘ゲームをやらなくても一度は聞いた経験のあるウメハラという初代プロゲーマー。

 誰もが第2、第3のと名乗りを挙げたいと意気込みますが、越えられない絶対的カリスマとして現役です。

 

 プロリーグをはじめeスポーツを推し進めている大人たちは、シャドウバースにて求めているスタープレイヤー像はウメハラのような選手なのでしょう。

 

 次回はスタープレイヤーと世界で受け入れられているeスポーツと比較をしながらシャドウバースについて話を展開します。

 

 タラコガニ